オゾンジェネレータ全体構成図

高圧電源部 |
AC100Vを高圧、高周波の電波に変換する部分です。 |
オゾン発生器 |
ストリーマ放電によってオゾンを発生させる役目をする部分です。 |
エアポンプ |
大気中から空気を取り入れて、オゾン発生部に送り、発生したオゾンを送り出す役目の部分です。 |
オゾンイレーサー |
発生したオゾンを酸素に分解し、殺菌された空気として供給する装置です。 |
制御装置 |
内部に湿度・湿度センサーを持ち、大気の温度・湿度を検知して大気の温度・湿度の変化によって変化する オゾン発生量を一定に制御する装置です。 |
オゾンを使う前に
オゾンは、優れた殺菌力があり、他の殺菌方法に比べると沢山の利点があります。例えば紫外線殺菌は、紫外線が照射されている部分にのみ殺菌効力を発揮しますが、オゾンは部屋全体に万遍なく行き渡らせれば、部屋全体の空気中の微生物を殺菌することは出来ます。(コロナウイルス予防対策)
また、一般に水道水や洗浄水に使用されている次亜塩素酸ナトリウムは、殺菌の過程で原水に含まれている有機物と塩素が化学反応をおこし、トリハロメタンという発ガン性物質を生成しますが、オゾンには全くこのような心配はありません。このように使い方によりその効果は絶大ですが、万能ではありません。
たとえば、オゾンは微生物に作用して殺菌をする前に、原水中に多量の有機物を含んでいると、有機物を酸化する反応速度の方が速く、殺菌効力を失ってしまう場合があるからです。
魚の場合
魚の表皮は、荒い皮と組織と鱗、それに粘液が付着しています。また、魚の尿は表面から汗のようににじみ出し、これに沢山の微生物が存在していています。
この微生物の数は、1・当り数万から数十万個もあり、この中には通常に大腸菌も数千個存在している場合もあります。これらを殺菌するには、まず、十分に清浄な水(または塩水)で流水洗浄し、粘液とともにできるだけ細菌を洗い流した後で、オゾン水で殺菌するようにしないと効果が上がりません。
機材・容器の場合
食品の加工に用いる、包丁・まな板・容器・作業台などには、材料の肉片・脂肪・澱粉質・液汁等が付着しています。これらは微生物の絶好の栄養源で、通常20分で2倍、1時間では10倍に繁殖します。一見きれいに見える包丁等でも、1・当り数千個の微生物が付着しています。
これらを殺菌するときも、先ず、洗剤等を用いてブラシュなどでよく洗い、真水ですすぎます。?きれいに洗い流しても、まだ微生物は付着しているので、この段階でオゾン水で殺菌します。微生物を殺すと言うことは、どんな殺菌剤でも微生物の成分中の蛋白質を変性させることによって効果が生じるのですから、食品の材料が付着していると、殺菌剤は先にこの材料と反応したり、微生物の膜の役目をしてしまって、効果が全く無くなります。
微生物は通常1個づつバラバラに存在するのではなく、数百、数万個が集塊状になっているので、洗浄することにより、この塊が洗い流されて、バラバラになり、殺菌効果が非常によくなります。
空気中の微生物
微生物は、空中に浮遊する塵埃に付着して空気中に漂っています。これが沈降して食品や機材に付着すると、食品や機材は微生物で汚染されます。
一般に床が乾いている工場に比べ、床が濡れている食品工場では微生物の数は数十分の一で、床面積50・当り毎分数個に過ぎませんが、有害な細菌が多いのが特徴です。
工場内では、作業衣・毛髪・原材料からもありますが、換気による外部からの侵入・汚染を防止する工夫が必要であり、このあとにオゾンの吹き出しにより、室内空気を殺菌するのが効果的な殺菌方法です。
用水中の微生物
食品工場の用水では一般的には、微生物は1mL中に数個に過ぎませんが、容器が汚かったり、他のものを入れたりすると、時間の経過とともに繁殖して見た目にはきれいに見えてもすぐ数千個になってしまいます。容器に入れた水は常にオゾン水で殺菌しておく必要があります。
上手にお使いいただくために
オゾンは、空中に浮遊する菌(空中に浮遊する塵埃に付着して浮遊するので、空中菌ともいう)に対して最も効果的ですが、水産物等に付着している菌に対しては絶対的な効力を発揮すると言うわけにはまいりません。また、オゾンの力を過信して作業環境の整備を怠ると、思わぬアクシデントが起こるおそれがあります。
オゾンは作業環境の空間の隅々まで浮遊菌の殺菌をしますが、作業場の機械、作業台、包丁、人体等に付着している細菌に対してはほとんど無力なのです。ですから毎日の機材・作業台・作業服の洗浄は勿論ですが、作業中の手指の洗浄消毒、トイレなどへ出入りの際は、履物を履き替える、または、再入室前の履き物の洗浄消毒など一般的な環境衛生管理に細心の注意が必要です。
また、高い濃度の環境下での長時間の作業は、人体に悪影響を及ぼすので作業場所でのオゾン濃度は0.1ppm以下になるようにするなど使用上の注意が必要です。オゾンを最も効果的にかつ安全に使用するためには、目的に応じた最適ポイントでの最適なシステム作りが必要です。
代表的なシステムの例を以下に示しますので、これを参考にされて上手なシステムを作るためのアドバイスにお役立てください。
オゾンプール方式
プール内の魚介類をオゾン水により滅菌する方式
オゾンジェネレーターに付加したオゾン水生成装置(オプション)を通してオゾン水を生成し、このオゾン水を水槽に注いでオーバーフローさせ、流水洗浄に活用します。
この方式の特長
従来のエアレーション方式と比べると高い濃度のオゾン水が得られ、殺菌を効率的に行うことが出来ます。

オゾンペール方式
簡単な設備で効率的に滅菌する方法
ポリペールの底にエジェクタを入れ、網目の皿で空間を作ります。水深を40cm程度にして予め2時間程度エアレーションしてポリペール内の水を殺菌した後に、魚介などの水産物の一次加工品を入れたバケット入れて再度エアレーションします。

(注)オゾンジェネレーターは水面より低い位置に設置すると水が装置の中に逆流し、故障の原因になりますので、必ず水面より高い位置に設置します。
オゾンテント方式
少ない費用で効率的に殺菌を行う方式
食品加工工場の一部の加工工程のみをビニールテントとで覆って環境を改善する方式です。食品加工工場などの作業場全体にオゾンジェネレーターを数台設置して環境を改善することが一番好ましいことですが、作業場全体をカバーするにはコスト的、環境的に無理な場合に、効果的な方式です。
この方式の特長
バルブの切り替え一つで、昼間の作業時間中は、殺菌した空気のみを作業場に流し、作業を休んでいる夜間には高濃度のオゾンガスを注入して浮遊菌を殺菌し、作業場内の機械や作業台への沈降付着を防止しして、より安全で清浄な作業環境を作ります。このバルブはタイマーなどにより自動的に切り替えることも出来ます。

(図の説明)
昼間はバルブC2を閉じ、C1を開けます。オゾンジェネレーターで発生したオゾンはイレーサで酸素に分解され、滅菌空気のみが注入されます。夜間はバルブC1を閉じ、C2を開けます。オゾンジェネレーターで発生したオゾンが注入されます。
作業場全体の減菌・消臭方式
広い空間を万遍なく滅菌・消臭する大規模方式
複数個のオゾンジェネレーターを例えば3群(A.B.C)に分けてタイマーで制御します。昼間はA群のみを作動させて、作業場全体のオゾン濃度を0.1ppm以下に保ち、夜間はB群、C群も作動させてオゾン濃度を0.1ppm~0.3ppmまで上げて殺菌効果を高めます。
建物の構造・温度・湿度等により一定値とは言え得ませんが、OZ_100P汎用オゾンジェネレーター1台で、おおよそ、50・の容積を0.1ppmに保つことができます。
この方式の特長
作業場全体が殺菌された環境下にあり、浮遊菌の作業場内の機械・作業台などへの沈降付着を防止することが出来ます。

小空間用オゾンジェネレータ
小空間の滅菌・消臭に最適なオゾンジェネレーター
細菌は工場外(各家庭、公衆トイレ、乗り物の中、通勤中の大気中など)から通勤時の衣服に付着して人と一緒に出勤してきます。会社ではロッカーの中で作業服に移ったり、ロッカーの中に住みついたりします。作業服に移った菌はそのまま作業場へ侵入して?しまいます。このオゾンジェネレーターはロッカールームやロッカー内部などの比較的小さな空間の殺菌・消臭を行い、作業場への菌の侵入を防止します。
この方式の特長
小型で安価な小空間専用のオゾンジェネレーターですから手軽に導入することができます。

形式名 |
OZ-50 |
オゾン発生量 |
50mg/H(MAX) |
発生方式 |
クォーツストリーマ放電 |
放出方式 |
自然拡散放出 |
設置方法 |
オゾン放出口を下方向とする |
定格電圧 |
交流100V |
定格周波数 |
50Hz/60Hz |
定格消費電力 |
3.0W |
外形寸法 |
幅6.4cm高さ10cm奥行4.4cm |
質量 |
250g(本体) |
耐久性 |
定格10,000時間以上(連続運転にて) |
主な用途 |
脱臭用 |
原料ガス |
空気専用 |
冷却方式 |
自然空冷 |
使用条件 |
動作温度 |
-10℃~+40℃ |
保存温度 |
-30℃~+50℃ |
保存湿度 |
相対湿度15~90%(結露がないこと) |
小空間消臭用オゾンジェネレータ
限られた空間の臭いを消すために最適なオゾンジェネレーター
最近、タバコを吸う公衆の場所が限定されてきています。たしかに喫煙しない人にとっては、タバコの臭いは嫌なものです。また、他人の香水・整髪料などの香りなども気になるものです。小空間のそんなにおいを消し、同時に滅菌作用が出来るのがOZ-20P-Hオゾンジェネレーターです。
この方式の特長
ホテルなどでは、お客様がチェックアウトされた頃に電源が入り、1~2時間後には切れるようにタイマーセットをすることにより効率的で安全な消臭・殺菌を自動的に行うことができます。

形式名 |
OZ-20P-H |
オゾン発生量 |
50mg/H(MAX) |
ボリュームにて20mg/Hに調整 |
風量 |
エアポンプ |
ダイヤフラム式 |
吐出風量 |
5リットル/min(MAX) |
定格電圧 |
交流100V |
定格周波数 |
50Hz/60Hz |
外形寸法 |
幅28cm高さ21cm奥行8cm |
質量 |
2.7Kg |
耐久性 |
定格10,000時間以上(連続運転にて) |
主な用途 |
脱臭用 |
原料ガス |
空気専用 |
冷却方式 |
自然空冷 |
使用条件 |
動作温度 |
-10℃~+40℃ |
保存温度 |
-30℃~+50℃ |
保存湿度 |
相対湿度15~90%(結露がないこと) |
オゾンチェッカー
半導体オゾンセンサを使用して、簡易に大気中のオゾン濃度レベルを検知できるハンディタイプのオゾンチェッカー
作業場のオゾン濃度レベルをチェックして、安全な作業環境を作るために役立ちます。ただし、大気中専用ですから、液体のオゾン濃度検知には、絶対に使用しないでください。
この方式の特長
- 小型・軽量です。
- オゾン濃度がレベルメータで確認できます。
緑:0~0.05ppm 黄:0.05~0.1ppm 赤:0.1ppm以上
- 危険レベルでブザーが鳴ります。
0.1ppm以上でブザーにより警報を発します。
- 電源には単3アルカリ電池4本を使用し、どこでも容易にオゾン濃度のレベルチェックが出来ます。

形式名 |
HM_0ZC1 |
検知対象 |
環境大気中のオゾン |
検知方式 |
半導体式オゾンセンサ |
濃度検知範囲 |
0~0.1ppmMAX(0.3ppm) |
検出精度 |
0.05ppm±50%(25℃、RH65%) |
接触方式 |
自然通風式 |
使用環境 |
気温5~40℃湿度30~80%(結露なきこと) |
耐久性 |
定格10,000時間以上(連続運転にて) |
表示方式 |
脱臭用 |
緑 |
0~0.05ppm相当 |
黄 |
0.05~0.1ppm相当 |
赤 |
0.10ppm以上 |
ブザー警報 |
0.10ppm以上 |
電源 |
単3アルカリ電池4本DC6V160mA |
電源表示 |
電池残量メータ |
外形寸法 |
幅9.5cm高さ15.8cm厚さ4.5cm |
質量 |
約360g(単3電池4本含む) |
耐久性 |
センサ部1年間 |